ゲームは楽しんでナンボ。酸いも甘いも味は味。
プランナーの植田です。
前回 に引き続き “アルティメットテキサスホールデム” というゲームの話です。
遊び方はご紹介致しましたので、今回は自分なりに考えた戦略についてまとめます。
それでは行ってみましょう!
【ジャックポットとトリップス】
結論から書くと “儲けることを目指すなら賭けない一択” です。
投資に対して利益が少なく、賭ければ賭けるほど損をします。
では、なぜそうなるかというと……まず、それぞれの儲け額と確率について考えてみます。
スリーカードは以下のとおりです。
- ジャックポット:貰えるチップ → 9倍 、 フロップでの役成立確率 → 1/47
- トリップス:貰えるチップ → 4倍 、 リバーでの役成立確率 → 1/21
どちらも役成立するまでに失うチップの方が多くなります。
スリーカードより上の役についても同じであり、全ての役を含めて計算しても失うチップの方が多いです。
以上のことから、ジャックポットとトリップスについては “賭けない” とします。
【Playの賭けるタイミング】
では、このゲームの肝であるPlayに賭けるタイミングについて考えてみましょう。
前提として、AnteとBlind には「10」ずつベットしているとします。
《プリフロップ》
ここで賭けた場合のリスクとリターンを考えてみます。
- “リスク” = Playで支払う額:40(or 30)
- “リターン” = 増える額 : 40(or 30)
- ※役に対する配当は一旦無視します
この時に必要な勝率=リスク/(リスク+リターン)で求められます。
40/(40+40)= 50% なので、ランダムハンドに対して勝率が50%以上あるハンドならベット!ですね。
この時3倍でも必要勝率は変わらないので、私は儲け額を最大化するために4倍で賭けます。
そして、ランダムハンドに対して勝率が50%以上あるハンドはこちらです。
「--o」などのハンドはオフスート=スートが別々(ダイヤとハートなど)のカード、
「--s」などのハンドはスーテッド=スートが同じカード。
これらのハンドを持っていた場合、迷わず4倍ベットです!
《フロップ》
ここで賭けた場合のリスクとリターンを考えてみます。
- “リスク” = Playで支払う額:20
- “リターン” = 増える額 : 20
- ※役に対する配当は一旦無視します
リスク=リターンなので、プリフロップと同じく必要な勝率は50%です。
しかし、フロップではハンドと場のカードを合わせて考える必要があります。いくつか場合分けしてみましょう。
- ドライボード【Ks 8d 3c】
- 役ができなかった
- 4ハイ(ハンド:4h 2h):勝率 15%
- 9ハイ(ハンド:9h 2h):勝率 21%
- Aハイ(ハンド:Qh 2c):勝率 35%
- ワンペアができた
- 一番弱いワンペア(ハンド:3d 2h):勝率 53%
- ハンド:2d 2h は勝率 46%なので×
- 真ん中のワンペア(ハンド:8h 2d):勝率 68%
- 強いワンペア(ハンド:Kh 2d):勝率 82%
- 一番弱いワンペア(ハンド:3d 2h):勝率 53%
- 強い役ができた
- ツーペア(ハンド:8h 3h):勝率 88%
- 役ができなかった
- ウェットボード【Th 9h 5s】
- 役ができなかった
- 3ハイ(ハンド:3d 2d):勝率 13%
- Kハイ(ハンド:Kd 2c):勝率 34%
- ワンペアができた
- 一番弱いワンペア(ハンド:5d 2d):勝率 51%
- 真ん中のワンペア(ハンド:9d 3d):勝率 63%
- 強いワンペア(ハンド:Td 3d):勝率 70%
- 強い役ができた
- ツーペア(ハンド:9d 5d):勝率 82%
- 強いドローができた
- 弱いフラドロ(ハンド:4h 2h):勝率 43%
- 強いフラドロ(ハンド::Qh 2h):勝率 56%
- オープンエンドストレートドロー(ハンド:8c 7c):勝率 43%
- コンボドロー(ハンド:Jh 6h):勝率 55%
- 役ができなかった
- モノトーンボード【Qd 7d 2d】
- ワンペアができた
- 一番弱いワンペア(ハンド:3s 2s):勝率 42%
- 真ん中のワンペア(ハンド:7s 3s):勝率 53%
- 強いワンペア(ハンド:Qs 2s):勝率 64%
- フラドロ+ハイカード
- 強いフラドロ(ハンド:Kd 3h):勝率 57%
- 弱いフラドロ(ハンド:Kh 3d):勝率 47%
- 中程度のフラドロ+強いハイカード(ハンド:Kh 5d):勝率 50%
- ワンペアができた
勝敗に影響ありそうな所をピックアップしました。
ここから考えられる戦略としては、以下のようになりそうです。
- ワンペアができたらベット
- ドローはハイカードが強ければベット
- モノトーンボードなどのドローが濃い場合……
- 真ん中のワンペア以上でベット
- ドロー+強いハイカードでベット
《リバー》
ここで賭けた場合のリスクとリターンを考えてみます。
- “リスク” = Playで支払う額:10
- “リターン” = 増える額+Ante+Blind : 30
- ※役に対する配当は一旦無視します
10/(10+30)= 25% なので、必要勝率がかなり低くなっています!
4回に1回勝っていれば良い計算ですね。
フロップと同じようにいくつか場合分けして考えてみましょう。
- ドライボード【Ks 9c 8d 3d 2h】:ストレートもフラッシュも無いボード
- 一番弱いワンペア(ハンド:4c 2c):勝率 42%
- 必要勝率ギリギリのハイカード(ハンド:Qc 7c):勝率 25%
- Qc 6cの勝率は 24%
- ダブルペアボード【Ad Ah Ks Kc 2s】
- 必要勝率ギリギリのハイカード(ハンド:9d 3d):勝率 32%
- 8d 3dの勝率は 23%
- 必要勝率ギリギリのハイカード(ハンド:9d 3d):勝率 32%
- フラッシュボード【Ad Kd Qd 7s 2c】
- 一番弱いワンペア(ハンド:3h 2h):勝率 38%
- 二番目に弱いワンペア(ハンド:6s 3s):勝率 30%
- 必要勝率ギリギリのハイカード(ハンド:Th 8h):勝率 25%
- Th 6hの勝率は20%
- 4枚フラッシュボード【Ad Kd Qd 6c 2d】
- 一番弱いワンペア(ハンド:3c 2c):勝率 22%
- 二番目に弱いワンペア(ハンド:6s 3s):勝率 30%
- 4枚ストレートボード【2d 3h 4s 5c Kd】
- 一番弱いワンペア(ハンド:7s 2s):勝率 22%
- 二番目に弱いワンペア(ハンド:7s 3s):勝率 29%
必要勝率が下がったことと、リバーなのでドローがないことでフロップと様変わりしました。
ここから考えられる戦略は、以下のようになりそうです。
- 基本的にワンペアができたらベット
- 9+[9~3の数字の種類数]のハイカードは、キッカーが6以下でないならベット
- 4枚ボードにおいて一番弱いワンペアはベットしない
《戦略まとめ》
- プリフロップは暗記
- フロップ以降は基本的にワンペアができたらベット
- ドローはキッカー強い場合はベット(ワンペアやハイカードで勝つ可能性が上がる)
- リバーは強いハイカードでもベット(必要勝率が下がるので)
- リバーで4枚ボードなら一番弱いワンペアは諦める
いかがでしたか?
基本戦略はこういった考えですが……実際遊ぶとジャックポットやトリップスにも賭けますし、同卓した見知らぬ人ともワイワイ楽しむのですけどね!
理詰めで入りつつ感情で楽しむのもポーカーの面白い所です。
またハンドの共有もできるので、他のプレイヤーが居ると勝率も変動します。基本的な考え方を抑えつつ、冷静に勝率を見極め、それでも抗えないカード運に一喜一憂して遊びましょう!
Let’s Go ALLIN!
※注:アルティメットテキサスホールデムではALLINできません