お久しぶりです。プランナーの植田です!
前回から半年近くも経っていました。
その間に色々あったのですが、個人的に大きいエピソードが……
国王アフォンソ5世閣下からメイプルリーフ金貨を頂いた!
ことですね。どういう事だ!?
それではどんな顛末があったのか、プランナー的な話も盛り込みながらお話しします。
【起】ネオアトラス1469 というゲーム
「時は大航海時代。船団を率いてポルトガルからジパング目指す。しかし、世界地図は殆ど白紙。船団が持ち帰った情報を“信じる”事で、世界の形は様々に変化していく……」といったゲームです。
ゲームのコアな面白みは『自分だけの世界地図を作れる』所ですね。
詳細はこちらの公式サイトを御覧ください。
私は20年ほど前にPlayStationで遊んでドハマリしたのですが、Switchのニュースで見かけて懐かしさのあまり買ったわけです。
【承】地図報告会キャンペーン
ネオアトラスは、本物のメイプルリーフ金貨が貰えるキャンペーンをシリーズごとに行っています。
とはいえ、私が遊んでいた時は早解きだった事と、まだゲーム経験も浅い子供時代。金貨を手に入れる事は叶いませんでした。
しかし!
今回は『王様が信じたくなるような地図を報告』すれば、当選できるとの事。
となれば、『面白そうなコンセプト』を提示できれば、王様の目にもとまるはず!
ゲームプランナーとして……いや、一ゲーマーとして、メイプルリーフ金貨をゲットする事を目指すことにしました!
となれば、まずはコンセプトを決めましょう。候補としては……
- 大陸を細切れにする
- 大陸に海で文字や絵を描く
- 巨大な日本を作る
- 全ての大陸を繋ぎ1つにする
どれもそれなりに面白みはありそうですが……
締切に間に合わなそうだったり、システムの理解に不安があったりとボツにした結果『全ての大陸を繋ぎ1つにする』(作戦名:オペレーション・ワンピース)に決めました!
これから、大変な作業が待っているとも知らずに……。
【転】ワンピースを求めて
ネオアトラスは、ランダムに「陸」と「海」が見つかるわけではありません。
現実で陸地になっている地域では「陸」が見つかりやすいのです。
つまり、普通にプレイした場合、現実の世界地図に近い形の地図になります。
自分の望む形にするには探検を何度も繰り返し、望まない地形は頑として“信じない”ようにし、地形を整えていきます。
ゲーム内時間で何年も同じ場所を探検させられ、報告を信じて貰えない提督たち……少々不憫ですね。
大陸を全て繋ぐため、海岸線の探索を少しずつ進め……「海」だったら“信じない”を繰り返す、本当に……地味な……作業……。ウッ、頭が……!
しかし、2週間ほど経った所で重大なアクシデント!
地図の端、現実の世界地図で言うところの「日付変更線辺り」が、何度も何日も何年繰り返しても「海」になってしまう……!!!
どうも、システム的に「必ず海になる所」のようです。
なので、泣く泣くコンセプトを変更『できる限り陸地を多くする』方針にしました。
(オペレーション・ワンピース ここに散る)
そして、出来上がった地図がコレです!
地球は陸3割:海7割なので、普通にプレイすると海が多くなります。
しかし今回は、陸と海の比率が逆転した世界に仕上がりました(笑)
これで現実の地図とは似ても似つかない、印象に残るものになったと自負しています。
最後に、アピールポイントを書いて投稿です!
- 大陸は3つしかない
- 河の様な細い海の世界
- アメリカとユーラシアが繋がっている!
- 日本の位置は星地点(なんと内陸!)
- 妄想エピソード(実は地中海が唯一の海だった!)
【結】金貨を賜る
結果は最初に書いた通り、金貨を頂くことができました!
やはり金貨というだけあって、見た目より重さがあります。
昔、純銀のサイコロを買った事があるのですが、それとは比べ物にならない重厚感がありますね。
さて、他の受賞者の方も「細切れの島しかない世界」や「現実世界の面影が完全にない独特な世界」など、面白いものが揃っていました。
中にはアクシデントで「ジパングが無い世界」になった方もおり、ネオアトラスはこうした“偶然”を許容できる懐が深いゲームデザインだと感じます。
私自身、7/5に発売されました“ザンキゼロ”のゲームデザインを手がけましたが、それにも『偶然性によるプレイエピソードの違い』を盛り込みました。
考えてプレイする事で狙いがハマる面白さがあるのはもちろん、偶然が生むアクシデントの面白さがゲーム好き同士の会話のキッカケになると良いなと思っています。
と、そんな事を日々考えながら今日も楽しくゲームを作りつつ、
リッター4Kを担いでハイカラスクエアに行くわけであります。
ウデマエXが……遠い……!! マンメンミ!